補給が勝負を決める【第3回】 私が台湾で救急搬送された理由
2026/07/31
今回は少し恥ずかしい話を書きます。
でも、この失敗を誰か一人でも防ぐことができるなら、書く意味があると思っています。
私は台湾最南端・墾丁(ケンティン)で開催されたハーフアイアンマンへ出場した際、脱水により救急搬送されました。
海が荒れ、競技内容が変更
当日は海が荒れ、スイムは中止。
競技は急きょ、
ラン → バイク → ラン
へ変更になりました。
ランが得意ではない私にとって、いきなりランから始まるレースは予想以上に厳しいスタートでした。
最初のランで異変
ラン終盤、突然腹痛に襲われました。
コース沿いにあった工場の方が、言葉も通じない中でトイレまで案内してくださいました。
あの時助けてくださった皆さんには、今でも感謝しています。
下痢気味ではありましたが、
「何とかなるだろう。」
そう思い、そのままバイクへ向かいました。
頭痛と手のしびれ
バイクでは頭痛が始まり、手先もしびれてきました。
今思えば、身体は脱水のサインを出していました。
ところが私は、
「遅れを取り戻したい。」
その気持ちばかりが強くなり、補給を十分に行わず走り続けてしまいました。
今振り返れば、一番やってはいけない判断でした。
「治った」と勘違いした
バイクを終えた時点で、一度はリタイアも考えました。
ところが、膝痛対策として持っていた鎮痛薬を飲むと、頭痛が少し楽になりました。
私は、
「回復した。」
と勘違いしてしまったのです。
しかし、改善したのは頭痛だけで、脱水そのものが改善したわけではありませんでした。
身体が動かなくなった
最後のランでは、3つ目のエイドステーションへ着いた頃には、ほとんど身体が動かなくなっていました。
リタイアを申し出ましたが、そのエイドは学生ボランティアが担当されており、すぐに医療スタッフへ連絡できる状況ではありませんでした。
タクシーをお願いしたつもりでしたが、しばらくして原付バイクに乗ったドクターが駆け付けてくださいました。
診察後、
「救急車を呼びます。」
という判断になりました。
台湾の皆さんに助けられました
救急車で市内の病院へ搬送されました。
点滴を受ける際には、若い先生が緊張していたのか、最初の点滴はうまく入らず、右手の甲が大きく腫れてしまいました。
その後、看護師さんが落ち着いて処置をしてくださり、点滴を2本受けて回復しました。
さらに困ったのは、お金です。
財布もクレジットカードもホテルに置いたままでした。
どうしたらいいのか不安になっていると、日本語を話せる大会ボランティアの方が来てくださり、ホテルまで車で送ってくださいました。
本当にありがとうございました。
海外で、あれほど人の優しさを感じたことはありません。
私が学んだこと
このレースで一番後悔しているのは、
「もっと頑張れば何とかなる。」
と思ってしまったことです。
身体は何度も危険信号を出していました。
頭痛。
手のしびれ。
腹痛。
それでも私は走り続けました。
結果として、多くの方にご迷惑をお掛けすることになりました。
私からひとこと
今でも、あの台湾のレースは忘れられません。
トライアスロンは、自分の限界へ挑戦するスポーツです。
でも、限界を超えてしまえば、自分だけの問題ではなくなります。
補給をする勇気。
ペースを落とす勇気。
そして、リタイアする勇気。
それもトライアスリートに必要な判断だと、私は台湾で身をもって学びました。
皆さんには、私と同じ失敗をしてほしくありません。
どうか最後は、笑顔でゴールし、元気に家へ帰ってください。
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